「ほかほかのパン」太田浩一
旅×物理学×偉人伝エッセイ
このリンクを貼ろうとしてアマゾンの商品検索したらおいしそうな料理本と可愛い絵本がいっぱい出てきてお腹空く(笑)確かに絵本風味のタイトルですよね。
副題の通り「2」なのですが、何気なく手に取ってしまったので「1」は読んでませんすみません(またこのパターンか…)
歴史的発見をした物理学者の生家や足跡を辿る旅行記エッセイ(?)
モノクロだけど写真も沢山。そして著者が意外と物理学以外に関しての造詣が深くて凄い。
本人の中ではきちんとつながっているので読みやすいというか寧ろその人物に対する理解が深まる。そして、こうやって色々なアイディアや発想の転換が新しい法則を生み出す力になるとすると科学者には芸術的なものの見方があるのかもしれないと思った。
ちなみにタイトルのほかほかのパンとはエミー・ネーターの事。多分表紙の女性もネーターだと思う。ネーターについての人となりを想像するに、こういう人私の周りにもいるなぁと思いました。
がさつで、自分のやるべき事に一直線で、故にそれ以外の事(外見や食事など)を疎かにしがち。広い視野と理論的な考え方を持ち、持論を展開し意見の違うものと衝突する事もままあるが、そこには一切の悪意がない。「悪気はない」って言い張るような人と違ってね(笑)ネーターについてヴァイルが「彼女の心は悪意を知らなかった」と述べていたそうだが、事実そういう人って存在するんだよね。
彼女の生きた時代、男性であっても苦しかった筈の1930年頃のドイツ。女性だからというただそれだけの理由で教授になれず、のちに教授になるも最後まで無給であり、ナチスの脅威が迫るドイツからアメリカに渡りその後すぐ病でこの世を去った。想像する事も出来ないくらい大変な時代だっただろうが、この頃の物理化学の進歩は恐ろしく目覚ましく、以前紹介した本でも書かれていたが科学的に凄い時代でもあったんだよな。
物理の教科書のどこでネーターの名を見る事があるだろう。
ネーターに限らず、この本に出てくる物理学者たちは貢献度や発見した法則のすばらしさと認知度が合っていない人物が多いかもしれない。著者が公式を説明しだすと「ああ、それの人!」と思う事が多々あった。すみません…。
この本はそういった、現代の科学に欠かせない基礎となるものを発見もしくは発展させてきた科学者たちを「公式」や「法則」ではなく1人の人間として辿る旅行記である。
「物理の小箱」一宮彪彦
ダイエットには運動は必要ない事を証明する物理学!?!?
物理の小箱―身の回りの現象の「理屈」を「物理」で考える (I・O BOOKS)
- 作者: 一宮彪彦
- 出版社/メーカー: 工学社
- 発売日: 2015/02
- メディア: 単行本
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サブタイトルにあるように、身の回りの現象の理屈を物理で、という訳で取り扱われてる題材は身近なものばかり。
- ダイエット
- エアコン
- 落下速度
- ホームラン
- 飛ぶということ
などですが、この本は一つの題材についてかなり「物理的に」説明してくれています。
数式も沢山出てきて物理の数学部分が苦手な私には少し難しいのですが、高校の物理程度の力で理解できるんじゃないかなと思います。
私はこの本で昔からの疑問が2つ解消されました。それは
- ガリレオガリレイがピサの斜塔で落体の実験をして、重いものも軽いものも同じ速度で落ちると証明したけど、宇宙空間ならともかく大気のあるこの地球上でそれを証明できたことが納得いかない
- 軽く動き回るのは運動とは言えず、ダイエットにはなんの効果もないと言われた事があって、じゃあ寝てても歩き回っても同じなのかよと思った
というもの。あまりにも些細な事なので別に証拠集めをしようとは思っていなかったのですがこの本を読んでそういえばずっと疑問だったなぁと思いだしました。
物理学的には当たり前だったんでしょうね。いとも簡単に
「でも実際は重いものの方が軽いものより早く落ちますよね」と言ってくれています(笑)
めっちゃ沢山の数式を使ってピンポン玉より野球のボールの方が落下速度が速い事を丁寧に証明してくださっているので眠くなりますがもやもやが解消されて嬉しかったです。
2についてはもう衝撃的というか何というか…。
カロリー計算的には運動で消費するカロリーは微々たるものなのでつまり
運動してても寝てても消費カロリーはたいして違わない
というのが物理学的な答えになるようでΣ(゚ロ゚;)
山登りしても基礎代謝を除くと菓子パン1個分(400キロカロリー)くらいしか消費しないって…マジですか(;´・ω・)
つまり消費カロリー的な話しで見ると取り入れるカロリーを制限するのが一番という事になるのですが、とはいえ運動せずに食べないだけのダイエットがよろしくない理由についても触れられていますので、やっぱりダイエットは運動と食事制限がセットであってしかるべきだと思います。物理学的に説明されちゃうと説得力ありますね~(笑)
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数式いっぱい出てくるから、現役の、学校で物理習ってるけどイマイチ実生活と結びつかないから学ぶ気力がわかないという学生さんとかにオススメしたい1冊でした(*´∇`)ノシ マタネ~♪