「ビッグクエスチョンズ 物理」マイケルブルックス
わぉ。これシリーズものだったんだ!
今知りました…。
THE BIG QUESTIONS Physics ビッグクエスチョンズ 物理
- 作者: マイケル・ブルックス,サイモン・ブラックバーン,久保尚子
- 出版社/メーカー: ディスカヴァー・トゥエンティワン
- 発売日: 2014/03/31
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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物理学における基本的な「とは何か?」を系統立てて説明してくれます。
など。時間が「相対的である」という事や、ニュートリノからしてみたら我々など隙間だらけで個体と呼べないかもしれないなどなど。理解していた筈の原理原則がひも解かれ探求され、そして理解しやすい文体で書かれているから納得しやすい!(←ここ重要!)あと個人的にヒッグス粒子の事も知りたかったので(2014年の本なので少しだけですが)触れられてるのは嬉しいですね。もっと知りたい。
私は物理が大好きなのですが、頭が悪いのでどうにも教科書の様に理屈だけで説明されてしまう文体だと理解が遅いのです。この本はきっと作者のみならず訳者が素晴らしいのだと思います。とても読み易いです。
こういった基本的な事を簡潔にまとめてあるものを読んで、そこから自分がより深く探求したいと思ったジャンルを見つけるのにも役立つのではないでしょうか。
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これを読んでいてやはり私はハイゼンベルクの不確定性原理やシュレーティンガーの猫なんかが好きなんだなと改めて思いました。なんでしょうかこの、わかればわかるほど謎が増えていくような感覚というか…。
このシリーズの、他のものはこちら↓↓
THE BIG QUESTIONS Universe ビッグクエスチョンズ 宇宙
- 作者: スチュアート・クラーク,サイモン・ブラックバーン,水原文
- 出版社/メーカー: ディスカヴァー・トゥエンティワン
- 発売日: 2014/03/31
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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ビッグクエスチョンズ 哲学 (THE BIG QUESTIONS)
- 作者: サイモン・ブラックバーン,山邉昭則,下野葉月
- 出版社/メーカー: ディスカヴァー・トゥエンティワン
- 発売日: 2015/03/19
- メディア: 単行本
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THE BIG QUESTIONS Mathematics ビッグクエスチョンズ 数学
- 作者: トニー・クリリー,サイモン・ブラックバーン,熊谷玲美
- 出版社/メーカー: ディスカヴァー・トゥエンティワン
- 発売日: 2014/03/31
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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ビッグクエスチョンズ 倫理 (THE BIG QUESTIONS)
- 作者: ジュリアン・バジーニ,山邉昭則,水野みゆき
- 出版社/メーカー: ディスカヴァー・トゥエンティワン
- 発売日: 2015/03/19
- メディア: 単行本
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- 作者: ブライアン・コックス,ジェフ・フォーショー,伊藤文英
- 出版社/メーカー: ディスカヴァー・トゥエンティワン
- 発売日: 2016/06/16
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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書店で見た事なかったけど、量子と宇宙は是非読んでみたいなぁ…。
「ほかほかのパン」太田浩一
旅×物理学×偉人伝エッセイ
このリンクを貼ろうとしてアマゾンの商品検索したらおいしそうな料理本と可愛い絵本がいっぱい出てきてお腹空く(笑)確かに絵本風味のタイトルですよね。
副題の通り「2」なのですが、何気なく手に取ってしまったので「1」は読んでませんすみません(またこのパターンか…)
歴史的発見をした物理学者の生家や足跡を辿る旅行記エッセイ(?)
モノクロだけど写真も沢山。そして著者が意外と物理学以外に関しての造詣が深くて凄い。
本人の中ではきちんとつながっているので読みやすいというか寧ろその人物に対する理解が深まる。そして、こうやって色々なアイディアや発想の転換が新しい法則を生み出す力になるとすると科学者には芸術的なものの見方があるのかもしれないと思った。
ちなみにタイトルのほかほかのパンとはエミー・ネーターの事。多分表紙の女性もネーターだと思う。ネーターについての人となりを想像するに、こういう人私の周りにもいるなぁと思いました。
がさつで、自分のやるべき事に一直線で、故にそれ以外の事(外見や食事など)を疎かにしがち。広い視野と理論的な考え方を持ち、持論を展開し意見の違うものと衝突する事もままあるが、そこには一切の悪意がない。「悪気はない」って言い張るような人と違ってね(笑)ネーターについてヴァイルが「彼女の心は悪意を知らなかった」と述べていたそうだが、事実そういう人って存在するんだよね。
彼女の生きた時代、男性であっても苦しかった筈の1930年頃のドイツ。女性だからというただそれだけの理由で教授になれず、のちに教授になるも最後まで無給であり、ナチスの脅威が迫るドイツからアメリカに渡りその後すぐ病でこの世を去った。想像する事も出来ないくらい大変な時代だっただろうが、この頃の物理化学の進歩は恐ろしく目覚ましく、以前紹介した本でも書かれていたが科学的に凄い時代でもあったんだよな。
物理の教科書のどこでネーターの名を見る事があるだろう。
ネーターに限らず、この本に出てくる物理学者たちは貢献度や発見した法則のすばらしさと認知度が合っていない人物が多いかもしれない。著者が公式を説明しだすと「ああ、それの人!」と思う事が多々あった。すみません…。
この本はそういった、現代の科学に欠かせない基礎となるものを発見もしくは発展させてきた科学者たちを「公式」や「法則」ではなく1人の人間として辿る旅行記である。