love2017’s blog

読書感想ブログ

『皮膚は「心」を持っていた!』山口創

 

当たり前のことだけど当たり前すぎて軽んじられがちな『皮膚は大切』っていう話。

 

f:id:love2016:20200609143519j:plain

皮膚は「心」を持っていた! 山口創 青春出版社

www.seishun.co.jp

この本では、皮膚の臓器としての重要性はもとより、皮膚感覚は脳に近く、皮膚は感情に大きく関係しているという点にも注目されています。

 

著者によると、脳がなくても生きていける生物はいるが、皮膚が無くても生きていられる生物は存在しないのだそうだ。(確かに…!!)

 

第1章 皮膚は「第二の脳」だった!?

  • 怒りっぽいのは「性格」のせいでは無かった!?
  • 皮膚という「露出した脳」

・・・など、人体における皮膚の成り立ちと知られざる役割の説明。

 

第2章 感情は「皮膚」でつくられる

  • 判断の決め手は理性ではなく皮膚感覚!?
  • 孤独は心だけでなく体にも影響を与える

・・・など、実際に肌が感情(心)に与える影響。

 

3章以下で触れることで心が落ち着く仕組みとその実践方法。

母と子、部下と上司など、より良い関係性を構築する為のスキンシップの重要性と注意点を解説。

 

ーーーーーーーーーーーーーー

【個人的感想】

昨今のコロナの影響で、テレワークやリモート飲み会など、完全な自粛状態が解除された後でも人と直接会わずに生活が出来る事が判ってきて、恐らく多くの人のパーソナルスペースに変化が出たのではないかなと思っています。

 

私はアトピーで元々皮膚が健全ではないため健常者とは皮膚感覚が違うかもしれないのですが、最近電車内などを見ると他の人もご自身の感覚を実感しだしているのかなという印象です。

 

好きな人と一緒に過ごせる時間がどれだけ大切で重要であるかを再認識すると同時に、関わりたくない人、触れたくない人との距離をより広く取りたくなる。

今まで満員電車でぎゅうぎゅうに詰められて1時間以上他人と肌を密着している状態を「当たり前」「仕方ない」「みんなもそう」と思って耐えてきたことを(テレワークなどにより)変えられるかもしれないという選択肢を得、更に空いてる時間での出勤を経験した事で結果的に満員電車への不快感をより強く感じるようになってしまった人もいるのではないでしょうか。

 

コロナでの自粛などの非日常は、自分にとって何が大切かという事を認識する時間となったような気がします。

 

この本はリモートではない人間関係の必要性はなにも経済活動の為だけではないのではないかという事を感じた1冊となりました。