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読書感想ブログ

「脳がシビれる心理学」妹尾武治

うーん…。

申し訳ないけどこの記事はオススメ本というより本当に「読んだ感想」になります…。

という前置きをした上でご紹介

脳がシビれる心理学

脳がシビれる心理学

 

色々書いてありますが、えーと、まぁ、よくある心理学本です…はい。

表紙に書いてある内容(目次)が書かれています。

  • 女性は父親に似た人と結婚する?
  • 成績を簡単にアップする方法がある?
  • ナルシストは会社に必要か?
  • 名刺は厚くて重い方がいい?
  • 成功したけりゃやせなさい?

などなど、命題としてはややありがちかなという気がしないでもないですが、取り上げている論文が比較的新しいものが多いため筆者的には斬新!!というところの様です。

らぶさんは心理学の新旧とか知らないのでなんのこっちゃでしたが…。

 

上記のような、今まで定説とされてきたこれらの「何となくそうみたいな感じするよね」といった事を科学的に明らかにしている心理学凄い!という賞賛の言葉に満ちています。

 

なんていうか、率直な感想を言えば…

論文マニアの内輪向け。

というか……。

 

この人凄いんだよね!有名だし!

こんな論文書けるなんてすごいなぁ!

これはこういう着眼点だからサイエンスなんて凄い雑誌に論文が掲載されたんだと思う!さすが!!

みたいな事が一つの記事ごとに囁かれています。勿論素直な感想であって、論文書いた人をヨイショしてるわけじゃないんだろうけど、なんか読んでいて、心理学の本だけに「もしかしてこれはアレか?有名人や権力者の名前を出すと話に説得力が増すというあの法則を使いたいのか!?これは凄い論文なんですよって言いたいのか!?にしては下手くそすぎる!」と思ってしまったツッコミ体質らぶさんなのでしたすみません…。

 

とりあえず、目次に興味のある部分があって更に「何となくではなく、きちんと立証されているという安心感が欲しい」という人は読んでみてもいいと思う。

 

あとひとつ。

脳科学」について結構細心の注意を払いながらも納得いっていない事を訥々と語っている所を見ると当時(2014年頃)の脳科学ブームのうさん臭さに懐疑的だったんだなというのが見て取れてそこは面白かった。幼児教育にも「心を育てる」じゃなくて「脳を育てる」って言う昨今に、肉体的物質的依存を汲み取っている様であった。

でも北島康介を火星人(北島康介を全く知らない人物)が分析したらどの競技の選手か判らないと思うっていう仮説は蛇足だったかなぁと思う…。スポーツによって筋肉のつき方って全然違うじゃん。専門家でもないただのスポーツオタクでさえその違いくらいわかるんだし、肉体だけで心のあり方は判らないと筆者は説いていたがあながちそうとも言いきれないとらぶさん(非専門家)は思う(`・ω・´)キリッ

 

タイトルに「脳がシビれる」とついている事についても「読者を騙している様で…」と申し訳ないと言ってしまうほど脳科学をブームとして扱うことに納得いっていない様子のネガティブぶりにやや好感( *´艸`)

筆者が自身で語っているのだが、学生時代に全く女性にモテなかったというのが本当に実感できる…でしょうね!って感じです(;^ω^A

 

「あんじゅう」宮部みゆき

時代劇×怪談×宮部みゆきって凄い。

今回ご紹介するのはこちら

 すみません白状してしまうとこのシリーズで読んだのはこれ1冊だけなのです。

こちらは現在までに4作出ている「三島屋変調百物語シリーズ」の第2作に当たります。

道理で主人公の説明がさらっとしてるなーと思いました…(´Д`)

 

もともと読書量が少ない上にフィクションは更に殆ど読まないのですが、このあんじゅうは発売当初書店に並んでいたのを何となく手に取りパラパラと読み始めたら止まらなくなってしまい1日で読破してしまった、とても面白い作品でした。

4話構成となっており、話が区切られているのでとても600ページ近くあるとは思えないくらい読みやすかったです。

 

叔父の家で奉公している主人公のおちかが客からその身に起こった面妖な話を聞き纏めるという形で話が展開していきます。

  • 第一話「逃げ水」
  • 第二話「藪から千本」
  • 第三話「暗獣」
  • 第四話「吼える仏」

怪談ものではありますが、基本的にホラーホラーしていなくて、それはやはり語り手が過去形で話しているからでしょうか。物語はやや淡々と進んで行きます。

ただ、何というか日本の昔話にありそうな「山奥の小さな山村のしきたり」だとか「生きた人間の方が怖い」系のそら恐ろしさというか薄ら寒い感じが凄くて読んでいて映像が頭に浮かぶ様でした。特に「吼える仏」。考えようによっては一番救いがないというか…。

 

「吼える仏」語り手、行然坊(ぎょうねんぼう)

行然坊が若い頃の話として語られる。山道で怪我をした行然坊を助けてくれた小さな山村には習わしがあり、山を削って田圃を作っているお礼に大豊作の翌年には一つの家族分の田圃を休ませるしきたりだった。その1年間その家は米が収穫できなくなるわけだが、本来なら山の神さまの為に選ばれた人なのだから他の家々がその家族分の食事を用意して1年過ごす事になっているのだが…。

 

そして一番切なかったのは「暗獣」、この本のタイトルになっているあんじゅうですね。

なんていうかもう、読んでて涙が溢れるとか、こと浅薄ならぶさんには考えられない事が!(自分で言う

くろすけええぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!・゜・(PД`q。)・゜・

ってなりました。

 

屋敷にいた暗獣「くろすけ」と心打ち解け合った新左衛門と内儀初音がくろすけを置いて屋敷を出る際に新左衛門がくろすけに話して聞かせた言葉もとても強く切ない。

別れる事になるけど最初に戻るわけじゃない。

出会う前と出会った後では孤独の意味が違う。と。

 

陳腐な言い方をすると、離れていても心は一緒、みたいな感じでしょうか…。

お内儀初音の気持ちがとても辛い。

 

毎回話を追うごとにメンバーが増えていくのも物語に厚みを増していて素晴らしい。

ああこれは全作読まなくては(;^ω^A

 

 ↓第1作目

おそろし 三島屋変調百物語事始 (角川文庫)
 

 

 ↓第3作

泣き童子 三島屋変調百物語参之続

泣き童子 三島屋変調百物語参之続

 

 

 ↓第4作

三鬼 三島屋変調百物語四之続