「最強の心理学」神岡真司
タイトルが既に読者の意識を操っているとも言えなくもない。
「効きすぎて中毒になる 最強の心理学」 神岡真司著
人間心理を読み解き、対人関係を円滑に図ろうとする時、心理学を少しでも学んでおくと色々な場面で役に立ちます。なんせ、世の中のストレスの多く(というか殆ど)は人間関係が原因だったりするのですから、その人間関係が自分の理想通りに事が運んだら、どれだけストレスが軽減される事でしょう。
で、これはそういった「一般の人が一般の人に対して使える基本的なコミュニケーションスキル」の説明書と言った感じです。
警戒されている相手には小さなお願いをして仲を深めろ、とか、恋愛においての男女の考え方の違いとか、単に褒めりゃいいってわけじゃない。特に上司を褒めるのは上から目線にならない様に注意!などなど、ごく一般的に知られている内容ですが、基本的な事が解りやすく書かれているので、こういう本を読んだ事がない人は読んでみるといいのではないかなと。
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あれかな。
もしかして内容があまりにも普通だからタイトルがこんなに挑戦的なのかな。
掴みが大事!的な(意味不
でも普通って大事だと思います。普遍的ともいえなくもないので。
「おしゃべりな宇宙」K.C.コール
やっぱり文章を書く事を仕事にしている人のコラムは読み易いなぁ。
『おしゃべりな宇宙ー心や脳の問題から量子宇宙論までー』K.C.コール 著・ 大貫昌子 訳(白揚社)
ロサンゼルスタイムズ誌に連載されていたコラム『Mind Over Matter』の翻訳版。
著者が調べた事、識者から聞いて心に残った科学的な話、宇宙の不思議さ複雑さなどといった類の話をコラムして一冊にまとめられたもの。
内容は、科学的なものではあるが専門的なものというより、より読み物としての趣が強い。
「ささやき」宇宙の声を聴いた時、科学者たちは大騒ぎだったわ。というお話。
「謙虚さ」宇宙を解明していくほどに、自分中心だった昔から、今は数多ある銀河のうちの更に端っこの存在だと知らせてくる科学はしかし、破滅する方法をも知る事となった。人は科学を知る事で本当の意味での謙虚さを身に着けられたのだろうか。
「内は外、外は内」内と外は表裏一体どころか、境目なんてあってないようなものだと科学者は言っている。と言う話。
「愛とボソン」愛はボソンのようだよねと、友人の物理学者が言っていた話。
などなど。
「ハイゼンベルクが思ってるほど、人は不確定性を理解できてないわ!無理!」みたいな事をさらっと言ってのける所が専門的な学者と違って親近感を覚える理由かもしれない。
著者は物理学を専門としていないサイエンスライター。つまり記者。
だからなのか、わからないものはわからないとしているところがいい。
そして何より、難しい事を難しく書くのではなく、読者ありきで書くライターとしての力量なのだろうがとても読み易い。
どうにも科学者の書く文体は、知っている事を知っている前提で自分の知識を書き連ねるだけのものが多くて、わからない者がすっかりおいてけぼりをくらってしまう事がままあるが、この本は読み物としてとても優れていると思う。
ただ、書かれたのが大分昔(2003年以前)なので、科学的な意味ではもう古くなってしまっている所もありますが、読んでいてわくわくするという意味でお勧めします。
この人新刊出ないのかなぁ…。