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読書感想ブログ

『自分を愛せなくなってしまった人へ』ティール・スワン

ばっちりタイトル通りです。

 

www.naturalspirit.co.jp

自分を愛せなくなってしまった人へー自らに光をともす29の方法 ティール・スワン

 

自己嫌悪、自己否定、自分を愛する事への罪悪感、他人に利用される、他人に尽くしてしまう、卑屈になる、自分には価値がないと思ってしまう、身体的に嫌いな部分がある…等々、自分に対する否定的な印象を持ってしまったが故に生き辛くなっている人に向けて書かれた本です。

 

優しいが故に自己否定や自己嫌悪に陥ってしまっている人は最初読むのが辛い部分もあるかもしれませんが、それすらも味わっていくと、段々自分と(ひいては周囲と)の関わり方に対して新しい視点が持てるような気がしました。

 

  • 自分は受け取るにふさわしいと知る(ツール2)
  • 自尊心を高める(ツール5)
  • 罪悪感から自由になる(ツール8)
  • 遊びを大切にする(ツール15)
  • 被害者の役割をやめる(ツール18)
  • インナーチャイルドを受け入れる(ツール27)

 

等々、自分を愛せるようになる為のメソッドが項目別に分かれているので、ツール1から順にやってもいいし、タイトルで気になった所だけやってみてもいいかも。

 

タイトルを見て気になった方は読んでみるといいかもしれません。

最初から全部を受け取ろうとするとしんどくなってしまいますが、受け入れられる部分から受け入れていくだけでもだいぶ気持ちが変わってくるのではないでしょうか。

 

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(個人的感想)

私はこれをコロナで自宅待機中に読みました。

友人らとの楽しいボイスチャットに強い不快感、嫌悪感、疲労感を覚えていたのに、「そんなはずはない。ここは楽しい場所だ」と思いこもうとして余計しんどくなり、この本に書いてあったいくつかの言葉を思い出してすぐにボイチャから抜けられました。

ここは私を幸せにしない(でも誰かのせいでもない)と。

 

人間関係とか置かれている立場(ヒエラルキー最下位)は変わりませんが気は楽になりましたね。

 

あとこの本、読んでいてところどころスピリチュアルというか、水の波動とか、自分は見えないものが見えるのでとかの記述とかが多めかなという気がしました。

スピリチュアル系の人なのかぁと思っていたらそもそも出版社がスピリチュアル系だったという( *´艸`)

『「無理」の構造ーこの世の理不尽さを可視化する』細野功

まず問題を問題として認識できるようになる…かな。

 

book.impress.co.jp

 

『「無理」の構造ーこの世の理不尽さを可視化する』細野功

 

最初に言っちゃいますがこれも「自己責任論」の本です。

 

  • 対称だと思いがちだが実際は非対称である事は多い。東京~大阪間は東京発大阪行きでも大阪発東京行きでもたいして(距離も金額も)変わらないが、善から悪に堕ちるのは一瞬で、町が一瞬で破壊される事はあっても、破壊された町が一瞬で復興する事はない。(対称性の錯覚)

 

  • 具体は実体と直結した実務家の世界、抽象は実体と乖離している学者の世界。(「具体と抽象」の非対称性 お金で上下関係が生まれるのはなぜか)

 

  • 立ち上げたばかりの会社と歴史を経て成長した会社では問題点も必要なものも全く違う。それが理解されないまま議論を交わしても時間の無駄にしかならない(上流・下流の法則 不毛な議論に費やされる膨大な時間)

 

特に第4部以降の人間の非対称性についての話が興味深かったですね。

  • 宇宙と「人間の心」 「絶対的中心」があるかないか
  • コミュニケーションという幻想 「言葉の意味」の共有は難しい
  • 「公平」という幻想 基準は人間の数だけ存在する

などなど。

頭の中で思っていてもなかなかまとまらなかった事をわかりやすく説明してくれていたので読んでいてすっきりしました。

 

「どうして自分ばっかりこんな目にあうんだ」

「世の中は理不尽だ」

「そんなの不公平だ!」

「もっと正当に評価してくれないと困る」

 

と、世の中の理不尽さに不満を募らせ、不公平感を感じている人が読むとその不公平感の根本原因がわかるのではないでしょうか。

 

ただまぁ自己責任論って、人生全て自己責任であると気づいてる人はもう気づいてる時点で「なんで自分ばっかり…」とか悩まないし、他責まっしぐらの人は気付いていないことに気づいていないから結局気づいてる人が全部被る事になるんですけどねー。

 

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個人的感想

 

本の中で非対称である事の例として、『他人の成功は「運がよかったから」と思うが、自分の成功は「実力だ」と思う。失敗は全く逆で他人の失敗は「実力がないからだ」と思い、自分の失敗は「運が悪かった」と思う』って記述があったんですが、これについて私はまったく逆の考えだったから印象深かったですね。

私は、他人の成功は実力だと思ってるけど自分が成功したら「たまたまだ。次はこううまくはいかないだろうな」って思うし、他人が失敗したら「運が悪かったね」って思うけど自分の失敗は自分が一番よくわかってるから「そりゃそうだ。実力ないもんね」って思う。

 

更に言うと、この考え方自体も否定されることがあってげんなりする。

どういうことかというと、自分の失敗を実力不足だと落ち込んでいると「(成功も失敗も)何でもかんでも自分の実力だと思ってるの?思い上がりもいいとこだ」と。叩きたい人ってどうあっても叩きたいんだよな。

これはこの本の18章(「対等」という幻想 批判する人とされる人の間に横たわるものは)で解説があって何となく納得できました。

 

でもこれ思いを巡らせると堂々巡りに陥りかねない。

まぁそうやって「別の視点もあるのだ」と常に認識しながらいる事が大切って事なんだろうな。

 

ただ、この本は全体的に「知識本」であって対処について知りたくて読むにはあまり適さないかなという印象でした。あとがきでも「抽象度を高めています」と書いてありますしね。

 

あとさ、これ手書きの図解やイラストが少し入っているんだけど、それが絶妙に理解しづらい。わかる様なわからない様な絶妙さ加減で、だったらなくても良いんじゃないか説。本人が描いてるのかな…。