WHAT IF?
アメリカンジョークにつっこみという概念はないのかという疑惑を400ページに渡って検証する科学読本。
…すみません嘘つきました。
今回ご紹介するのはこちら。
もうねー
これはもう
読むしかない
概要
著者のサイトに寄せられた素朴な(そして時にとてもバカげた)質問に著者が持つ物理学の知識を総動員して仮説を立てていく内容。例えば
- 光速の90パーセントの速さで投げられた野球のボールを打とうとしたら、どんなことが起こりますか?
- 各元素を集めてキューブ状にして、それを並べて周期表を作ったらどうなりますか?
- モグラ(mole)を1カ所に1モル(mole)集めるとすると、どうなりますか?
- 連続出力可能なヘアドライヤーを1台、1辺が1メートルの密閉された立方体の中に置いたとすると、どんなことになるでしょうか?
などなど。
…実はこれらは、恐らくだけど、ありがちな質問かもしれません。
しかし、質問は一般の方によって寄せられたものです。
問題は、それに答える人物のキャラクター性にあります。
一筋縄ではいかない人物の導き出す「答え」
よくある子供向け科学解説本を何冊か読んだ事がありますが、なんていうか「子供の素朴な(そして時に素っ頓狂な)質問にその道のプロが至極真面目に答える所が面白い」という趣旨の本は多数ありましたが、こちらは更に上をいく答えを導きだしてくださいます。
何しろ、著者ランドール・マンローの経歴からしてやばい。
大学で物理学を学んでNASAに入ってロボット開発してたのにきっぱり辞めてネットコミック作家に転身してしまうという自由ぶり( *´艸`)
天文学連合によって星に名前まで付けられているという…(4942マンロー)
著者がコミック作家なので、当然(?)挿絵つきです。それはとても可愛らしいスパイスとなって読者を和ませてくれます。
パラパラ漫画とかに出てくる棒人間ですが( *´艸`)
一番多い(らしい)質問「世界中の人間が一カ所でジャンプしたらどうなるか」についての検証
これが一番著者の視点が伝わるのではないかと思いました。
普通だったらこの(一見するとバカげた)質問に対し(極めて真剣に)検証し、
「〇〇という計算を行い、結果、こうなる。」
という解説が出てくると思う。
けれどもこの本にかかるとそれは序文に過ぎなくなります。
とりあえずジャンプした結果なんだけど、それは色々なところで論じられているようなのでネタバレしてしまうと、「何も起こらない」が正解だそうです。そう、何も。
・・・で?
・・・で?ってなるわけですよ。
読者ではなく
「ジャンプした人たち」が!
で、どうなるの?
どうするの?
ここどこ?
家に帰らないと…
気まずい雰囲気が漂います!
でもなぜか!
携帯電話はつながらず!(回線パンク)
空港は機能せず!(到着地点に誰もいない)
隣の人と共通の言語で会話が出来る可能性もとても低い!
略奪が起きる!
インフラが停止する!
そして人類は…
それでも地球は何事もなく回り続ける。
ざっくり言うとこんな感じですが、
しっかりした根拠を基に書かれた科学的推論と、
「私ダブリンに帰らないと」と焦る棒人間の一団のイラストとの対比が絶妙で好き(笑)
スタンドアップコメディ
冒頭の話は、実は私がこの本を読んでいて思った素直な感想でもあります(汗)
日本の「お笑い」とは違う笑いを誘うという感覚。
なんというか、ボケに対してボケを被せてきて、客席の方を向いて肩をすくめる仕草をするようなというか(判りづらくてすみません)
小ボケが徐々に積み重ねられていく感覚。
じわじわと引き込まれていく中毒性。
とにかくイラストと著者の人間性が秀逸でした。
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らぶさん実は理化学めっぽう弱くてからきしなので物理学専攻してる人とかが読んだらまた違った感想になるんだろうなとは思いますが…よくわからないから面白いのか、よくわからなくても楽しめたのかは謎ですが、なんかツボったんですよねぇ( *´艸`)
ここまでお読みいただきありがとうございました(*´∇`)ノシ マタネ~♪